最近の調査で、火星にも水が存在するというニュースがありましたが、現在、液体である水を豊富に蓄えている太陽系の惑星は地球のみです。では、地球上の水は、どうやって誕生したのでしょうか。
ご存じ!?だと思いますが、地球は約46億年前に太陽の周りを回っていた様々な元素を含んだ微惑星や岩石が衝突して誕生しました。その衝突の際に、岩石に含まれた水や炭酸ガスが蒸発して大気が形成されました。しばらくして地表の温度が下がってくると、大気中の水蒸気が雨となって地表に降り注ぎ、原始の海が誕生したわけです。
これが地球上で目に見える液体の水の誕生というわけです。他の地球上の物質もそうですが、すべては宇宙からの贈り物なんですね。ちなみに、原始の海には大気中の二酸化炭素のほか、亜硫酸ガスや塩化ガスといった、人間にとっては有害な物質が多量に溶け込んでいたと考えられています。それからしばらくして、この原始の海で生命が誕生したのです。
中学生の理科の授業で『水=H2O』という化学式を勉強しました。見ての通り、水素と酸素の化合物です。水素は非常に燃えやすい物質で、酸素も物を燃やすためには必要不可欠な存在ですが、その化合物である水は燃えるどころか、消火に使われていると考えれば、実に面白い物質です。単純に「水」と呼んでいますが、純粋な液体のH2Oは基本的に地球上には存在しません。自然界にある水も、その土地土地のミネラルなどを含み、地球上の水の大部分を占める海水も塩分を含む、水と他の物質の混合物。ひとくくりに水といっても千差万別で、身近にありながら奥の深い存在なのです。 |
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水は気体・液体・固体の3つの姿を持っています。地球上では主に液体で存在し、0℃以下では固体(氷)に変化し、100℃で沸騰し気体(水蒸気)に姿を変えています。100℃以下でも液体の水は徐々に気化蒸発しますが。
ここで他の物質では見られない、いくつか水の面白い特徴を紹介すると、
(1)液体から固体になると、体積が増加する
通常は固体になると密度が上がり、体積は少なくなるのですが、水だけが逆の性質を示します。水の上に氷が浮かぶのはこのためです。
(2)水は他物質を溶かしやすいという性質を持っていて、しかも、ひとつの物質が溶けていくごとに、水自体の溶解力が増していくという不思議な力を持っています。人間の約60%を占める水の働きは、この溶解力を抜きには語れないのです。
その他、電気分解による「水素電池」などの科学的な
応用も多く、現代社会の日常生活においても重要な物質なのです。 |
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地球の生命はどこから誕生したのでしょうか?それは海です。旧ソ連の科学者オパーリンの学説によると、原始の海は現在より塩分濃度が低く、大気中から吸収した有機物を含んだ、いわば「うすいスープ」のようなものだったと考えられています。この有機物が次第に結合していき、38億年ほど前にバクテリアのような原始的な生命が誕生したそうです。当時の環境では、大気中では太陽からの紫外線の影響で、生命の誕生はありえないとされ、その紫外線から生命の素を守ったのが海(水)だったのです。このことから、水は生命の源と呼ばれているわけです。
それから気が遠くなるような長い年月をかけて進化していき、生命は陸上に空に進出していきました。ちなみに現在の姿の人類が出現したのは、約20万年前といわれています。 |
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人類が誕生し、進化の過程で他の生命と決定的な違いをみせるようになります。そう、「文明」の誕生です。俗に世界四大文明と呼ばれる地域には、欠かすことができない共通点がありました。それが川でした。メソポタミアにはチグリス・ユーフラテス川、エジプトにはナイル川、インドのインダス川、中国の黄河と、豊富な水量の大河を中心に花開きました。
その理由としては、飲み水を含めた生活用水の確保が容易だったことをはじめ、大河周辺の土地が肥沃で食料となる作物がよく育つことが挙げられます。そこには人が集まり、それを束ねる指導者が現れます。指導者は氾濫を起こす大河の治水を行い、上流から建材となる石材・木材を川を使って運ばせて街を発展させていきました。
また、近代に目を向けると、18世紀の産業革命でも水が重要な役割を担います。水力紡績機により織物の大量生産が可能となり、蒸気機関車をはじめ水の力を利用した動力源が発明され、現代工業の礎となりました。今日の日常生活は水の力のおかげといっても過言ではありません。
しかし、水はその必要性がゆえに、人間同士の争いの種にもなり、多くの犠牲を出してしまう結果になったのは皮肉としかいいようがありません。 |
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ギリシャの歴史家ヘロドトスは「エジプトはナイルの賜物」と称えた。
産業革命も水の力のおかげでした。
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海から生まれた生命は、例外なく体内の大部分を水(水分)で占めています。人間の体も60%は水でできており、生まれたばかりの赤ちゃんにいたっては80%にもなります。
ちょっとイヤな例かもしれませんが、火葬に立ち会ったことがある方、ミイラを見られた方なら、「あ、なんとなく納得」と思われるでしょう。植物、特に人間が食べる果実などはさらに水の割合は高く、8割以上にもなり、クラゲにいたっては95%以上が水で占められています。
人間に限らず、動物も植物も細胞の集合体として成り立っています。例えば、人間は約60兆もの細胞から構成されています。細胞はタンパク質や核酸などと、さまざまなイオンの組み合わせで構成されており、それらを結びつけているのが水なのです。細胞の種類によってまちまちですが、8割ほどは水で構成され、24時間休むことなく細胞内を動き回って生命活動を支えているのです。
また、ただ体内に水を蓄えていればよいか、というわけでもありません。水分を摂り、体外へ排出する。水の循環がなければ正常に体の機能が働かず、不要物を体外へ出せません。健康のためによい水を飲み、規則正しく排泄しなければならないのはそういう理由なのです。
では、水分が少なくなると、人間は一体どうなってしまうのでしょうか?まず挙げられるのが脱水症状です。体の水分の約2.5%失っただけでも発熱し、幻覚症状に見舞われます。体は一定の塩分濃度に保たれているので、そのバランスが崩れると体調不良に陥り、死に至ることもあります。
その他にも、血液が粘り気を持ち、ドロドロの状態となります。こうなってしまうと、血行が悪くなり、慢性的になると脳梗塞や心筋梗塞などといった高リスクの病気にかかりやすくなってしまうのです。本当に水は命の源生命線”なのですね。
地球の水は厚い大気に守られて、絶えず地球の大気圏内を循環しています。地上に降った雨や雪は、地下を通って河川や湖などに流れこみ、そして、その多くは海へ飛び出します。その途中、一部は大気中に蒸発散し、そして再び雲となって地上に雨として降りそそぎます。日本の気候の場合、おおよそ26日かけて、このサイクルで循環しているといわれています。これと異なるのが、高地や極地など氷として水が存在する地域です。自然界での水の循環は、こうして水、水蒸気、氷に姿を変えながら、私たちの周りを旅しているわけです。
地球規模で見ると、地表に降る雨の量は毎年ほぼ一定量です。年によって多く降ったり少なく降ったりする地域が移動しているだけで、約20億年前から絶え間なく水の循環を繰り返しているだけで、実は大きく変化していないのです。
20世紀後半以降、水需要が急激に増大したことに加え、都市の拡大、人工物の増加にともない、森林などの自然環境の減少によって、日本の水循環は大きく変化しています。
その結果、湧水の枯渇、平常時の河川の流量減少、水質の悪化、生態系の異変、地盤沈下、ヒートアイランド現象、都市型水害の増加など、私たち一人一人が自分の問題として意識し、行動を起こすことが重要になっています。 |
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氷河もゆっくりと水循環を行っています。
都市は温暖化だけではない弊害の原因にも。
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人間文明の発展に欠かすことができない水の存在。歴々の指導者たちは、治水や運河といった、水に関わる国家事業を行い、国を豊かにし、統治してきた歴史は少し触れました。そういった国家事業の中には、水道網も含まれていました。
おもに生活用水を供給する上水道は、紀元前300年頃、古代ローマのアピア水道が初めて建設されたといわれています。完成までに数百年かかったその長さは578kmにも及びました。その際、水道橋も建設され、都市の景観美にも大きく寄与したことは特筆に値します。日本初の水道は1600年頃に、現在の東京につくられた神田上水、玉川上水だとか。ちなみに、現代日本の水道水は世界でも数少ない、そのまま飲める品質の高さを誇っています。
汚水などを効率よく排水するための下水道の存在を忘れてはいけません。水質の維持など、地球環境の悪化が叫ばれる中、その重要度は年々増しています。実は、上水道より下水道の方が歴史が古く、約4000年前のインダス文明の都市モヘンジョ・ダロで初めて整備されたとされています。その後、地中海に面したエジプトやローマといった都市でもつくられるようになりました。本格的な整備が始まったのは産業革命以降で、都市化が進む中、汚水が原因となってコレラなどの伝染病が流行し、ヨーロッパでは急速に整備されていきました。産業がさらに発展している今日では、生活汚水だけではなく、工業排水の処理も増加しており、都市を清潔に保つだけではなく、いかにきれいにして自然に返すかという処理技術が重要なポイントとなっています。
このように、かつては文明の高い国家や都市の先端技術的な存在だった上下水道システム。しかし、現代社会、特に都市生活においては、なくてはならない動脈(上水道)と静脈(下水道)といえるでしょう。 |
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ダムなどから取水した水をきれいにする
福岡市の高宮浄水場。
福岡市中部水処理センター
無害な水に変えて自然に戻しています。
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発電機としてもっとも古い歴史を誇るのは水力発電。水の落下エネルギーでタービンを回して発電する、シンプルな構造。同じ「再利用可能エネルギー」を利用した太陽光発電や風力発電に比べ、安定性とコストに優れたエコ発電の代表選手です。しかし、現在は火力や原子力といった大容量発電におされ、サブ的な存在になっていますが、エコの観点から見直されている発電方法です。
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写真提供:プラン・ジャパン
みなさんは、地球すべての水の総量ってご存じですか?約14億km3といわれています。といわれてピンとこないと思いますが、地球の体積1兆km3強からするとその量は約700分の1程度で、無限にあるものではなく、意外と少なく感じるのではないでしょうか。
前にもふれましたが、地球の水はこの20億年間、その量はほとんど変化していません。しかし、至るところで水不足が叫ばれ、世界的な問題として取り上げられているのはなぜでしょうか?それは人間が利用可能な水が極めて少ないからなのです。
地球上の水の約97%は海水です。ということは、残りが飲める水なのかといえば、それは大間違い!残りの約2%は高山や氷河などの個体である氷の姿をしていて利用できない水なのです。人間の生活用水として利用できるのは、たった0.01%しかありません!そのわずかに利用可能な水が、世界的に不足してきているのです。
では、なぜ地球規模で水不足を心配する状況になっているのでしょうか? |
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Assessment of Water Availabilitiy in the World:Shiklomanov.1996より |
水不足の理由はいくつかありますが、その大きな要因は世界的な人口増加です。現在、世界の総人口は約66億人といわれています。年々増加の一途をたどっており、2050年には90億人を突破するといわれています。水の量は変わらないので、それを利用する人数が増えれば、当然1人あたりの利用量は減っていくわけです。
しかし、事はそんな単純な問題ではありません。人間は水だけを飲んで生きているでしょうか?当然、生きていくには食べ物が必要です。普段食べている肉や野菜、果物を育てるには、大量の水が必要になります。人口は増える→食べ物が必要になる→今まで以上に生産する→さらに水が必要になる、という流れは自明の理でしょう。日本は水の豊かな国です。当然、飲み水は自国でまかなえますが、実は世界でもトップクラスの水の輸入国なのです!そう、大量の食料を輸入する=その食料生産ための水も日本のため
に使われている、という図式が成り立つわけです。
近年、アジアの経済発展にともない、水の需要が高まっているのも、大きな問題となっています。同時に、利用可能な水の減少につながる水質汚染も引き起こしているのです。 |
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高度成長期の日本は、豊かになった生活の代償として、生活排水、工業排水を未処理のまま川に流していました。その結果、川からは魚が消え、悪臭を放ち、私たちの健康と環境を脅かした歴史を持っています。今、経済発展を続けるアジアでも、同じような状況になりつつあります。日本では、過去の過ちを反省し、下水網の整備や汚水の排出基準などを定め、河川などの再生に成功していますが、途上国ではまだまだ十分ではないのが実情です。
WHO(世界保健機関)の統計によると、発展途上国での疾病原因の約80%が汚水に起因するもので、8秒に1人の子どもたちが水に関する病気で死亡しているという、ショッキングな数字も出ています。生態系への影響も甚大で、淡水魚の約20%の種が水質汚染により絶滅の危機に瀕しており、その深刻さを物語っています。
水質汚染だけではなく、地球温暖化による気象変動により、干ばつや洪水といった災害が頻発。さらに、都市部での水害や森林伐採による山崩れなどの被害を拡大させている現状は、地球レベルでの水問題、環境問題への取り組みを一層強化し、私たちが水の大切さを知り、できることから始めるエコ活動が重要であることを意味しています。
Stockholm Environment Institute,Comprehensive Assessment of the Fresh-water Resources of the World,1997より