7世紀後半から100年間の歌を集めた万葉集は日本最古の歌集です。天皇や貴族から役人や防人など、全二十巻に4500首以上のさまざまな階層の人々の想いが凝縮されています。
そのため表現様式も比較的素朴で直裁的なものが多くなる傾向があるようです。万葉集のテクニカルな分類を大別すると(1)恋の感情を自然物に例える「寄物陳思(きぶつちんし)」、(2)直接的な感情表現を行なう「正述心緒(せいじゅつしんしょ)」、(3)四季の風物詩を愛でる「詠物歌」、(4)自分の思いをモノに託して表現する「譬喩歌(ひゆか)」となります。
というわけで万葉集には『川』を扱ったものが少なくありません。ここではそんな中から、日本の美しい川を歌ったものをいくつか紹介してみました。太古の水の流れがどれほど美しく人々の心を魅了したか、その一端が垣間見れると幸いです。